貸切バスの料金について
貸切バスの料金はどうやって決まるの?
貸切バスの料金については全てのバス会社において国土交通省の定める料金制度が運用されています。
- 貸切バスの運賃は「時間制運賃」と「キロ制運賃」を合算して計算する。
- 運行条件により各種の「割増料金」が発生する場合がある。
1日料金や半日料金といったものは基本的に存在しないので利用内容に応じて必ず見積もりを取る必要があります。
国土交通省によって定められた「時間・キロ併用制運賃」に基づき運賃を算出し、深夜早朝運行や交代運転手配置などによって発生する料金を足したものがバス代金となります。
1時間あたりいくらからいくら、1kmあたりいくらからいくらという風に上限と下限が決まっており、出庫から入庫までの時間と走行距離をぞれぞれ掛け合わせたもの合計したのが運賃となります。
表1)東京で大型バス利用の場合
上限額 | 下限額 | |
時間制運賃 | 7,680円 | 5,310円 |
キロ制運賃 | 170円 | 120円 |
気を付けないといけないのがこの時間と距離はお客さんが実際に乗車しているいわゆる実車の時だけではなく、車庫から出発地点に向かう、終了地点から車庫へ帰るまでの「回送の距離時間」も含まれるという事です。
さらに出庫前と入庫後に1時間ずつ合計2時間の点検時間を加えて計算を行います。
例えば午前10時から午後6時まで100kmの行程でバスを利用するとして、車庫から出発・終了地点まで片道30分・30kmと仮定した場合は、
時間:実車8時間+回送1時間+点検2時間=合計11時間
距離:実車100km+回送60km=合計160km
上記をもとに運賃が計算されます。(時間・距離の単価はバスの大きさによって異なります)
表1の場合、下限料金は
5,310円×11(時間)=58,410円
120円×160(km)=19,200円
58,410円+19,200円=77,610円(税別)
上限料金だと
7,680円×11(時間)=84,480円
170円×160(km)=27,200円
84,480円+27,200円=111,680円(税別)
大型バス料金は77,610円〜111,680円という風に算出されます。
皆さんの集合場所からバス会社の車庫まで距離が離れている場合は回送によって思ったよりバス代金が高くなる場合があるので気を付けましょう。
短時間・短距離だけ使う場合
よくあるお問い合わせとして、30分〜2時間程度でごく近距離の送迎だけだとどの程度安くなるのか?というものがあります。
ちょっと使うだけだからそんなに高くないだろう、と考える事はいたって普通の感覚だと思います。
しかし、残念なことに結論としては貸切バスの制度上思ったよりも安くはなりません。
貸切バスの運賃は時間と距離で算出すると先ほどお伝えしましたが、時間については最低3時間として計算すると決められているのです。
この3時間に出庫・入庫後の点検2時間は必ず加えなくてはならないので結果として最低5時間分の運賃が発生します。
つまり15分だけ利用しようが3時間利用しようが時間運賃は変わらないということです。
貸切バスの料金において時間が占めるウエイトは非常に高く、例えば都内で大型バスを利用する場合1時間あたりの運賃は最低5,310円かかり、1kmあたりの運賃は最低120円です。
このことから、タクシー感覚で貸切バスを短時間だけ使うことはなかなか難しく料金重視では非現実的と言えるのかもしれませんね。
繁忙期と閑散期によっても変わる?
貸切バスの料金はホテルなどの宿泊施設と似ているかもしれません。
暇な時期は安く、みんなが旅行や行楽に出かけたり高校総体や花火大会といった大きなイベントがある多くの人が貸切バスを使いたいと考える忙しい時期には相対的に高くなるということです。
最初に時間・距離料金それぞれに上限・下限の幅があるとお伝えしましたが、バス会社も暇な時期は下限に近い料金で少しでも多く仕事を請け負うことを中心に考えます。
一方繁忙期で空車が少なくみんながバスを探しているときには放っておいても仕事が入ってくるので、上限いっぱいの料金になることは珍しくありません。
混み合う時期に出発まで日にちがない、そんなタイミングでバスを探すときある程度予算は覚悟した方が良いでしょう。
ちなみに忙しくなる事が想像される日程でバスを使う場合、半年前や1年前といったように十分余裕を持って予約をしておくと比較的リーズナブルな料金でバスを利用する事ができます。
バス会社も前もってスケジュールが埋まっていく方が運営上売り上げの見通しがつくので通常料金で予約をする事が可能になるからです。
貸切バスの料金はその算出方法は決まっていますが旅館やホテルのように混雑する繁忙期とひまな閑散期によって大きく変動する場合があります。
後回しにしたりいつでも大丈夫だろうとたかを括っていると、思わぬ金額に慌ててしまうこともない話ではありません。
予定を立てるときは早め早めに動いていくようにしましょう。
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