貸切バスはなぜ当日急な行き先変更ができないのでしょうか?

貸切バスはなぜ当日急な行き先変更ができないのでしょうか?

貸切バスはなぜ当日急な行き先変更ができないのでしょうか?

貸切バスの種類

貸切バスはお客様の希望に合わせて、行きたいところや行きたい時間を自由に決める事ができます。

団体旅行の場合、みんなをまとめて連れて行ってくれる貸切バスはとても便利ですよね?

大勢の移動をもし公共の交通機関で行うとしたら、乗り継ぎや乗り換えといった電車の時間、周りへの気遣いなど神経を使う事がたくさんあります。

旅行会社が主催するツアーもあるけれど、行きたくもない場所でも我慢しなくてはいけないし、逆に行きたいところがあっても妥協しないといけない事だってあります。

そう考えると貸切バスなら自分たちが本当に行きたい場所だけ行くような予定を立てられるし、車内は自分たちだけの空間なのでゆっくりするのもワイワイ盛り上がるのも自由!気疲れすることはありませんよね。

バス料金も、みんなで割れば以外とリーズナブルに済んでしまいます!!しかし、いくら貸切バスとは言え決まり事はあります。

今回はよくある疑問の、なぜ貸切バスは事前にルートを決めておかないといけないのか?当日自由に行き先を変えられないのはどうして?についてご説明します。

運転手は勝手にルートを変更できない?

ルート

貸切バスを利用する時必要なのが、具体的な行き先や到着時間を決めたコース表です。

これをもとに貸切バスの料金は算出します。利用する時間と運行する距離によって運賃が決まるからです。

この事前に決めたコースに沿ってバスを運転するのが運転手の仕事です。当日になってこのスケジュールを急に変更することはできないのです。

その理由は乗客の安全を守るため。

大勢の乗客を事故がないよう安全に目的地までお送りするためには事前に準備が必要なのです。

準備されたコースの通りバスを走らせる事が運転手の仕事であり、行き先やルートを変更する権限を持っていません。

これは旅客自動車運送事業運輸規則という法律で定められています。

では誰が行き先やルートを管理し、変更などの権限を持っているのでしょうか?

権限は運行管理者にあり!

答えは「運行管理者」と呼ばれる国家資格を有した人たちなんです。

前日の台風で道路が土砂崩れにより通行止めになってたとか、急病人が出て急遽観光を取りやめて出発地へ帰るなど、やむを得ない事情が発生した場合、運転手はバス会社に連絡し、運行管理者に指示をあおぎます。

それは、法律でそのようにする事が決められているからです。

運行管理者はお客様を安全に輸送できる道路かどうか、どのルートを通って行くのが良いかなどを事前に確認し、お客様の要望に合わせてバスを目的地まで時間通りに、そして安全に運行するためのスケジュールを立てる事が仕事です。

そもそも運行管理ってなんですか?

事前に走行ルートを決め管理をする事が、なぜそんなに大事なのでしょう?
そのわけをご説明します。

1.貸切バスにはたくさんのお客様が乗るから

貸切バスは何十人単位のお客様が乗ります。運転手はたくさんのお客様の安全を預かり運転をしています。

そのため、タクシーなどと比較してより厳しい基準で安全な運行が要求されます。

船や飛行機などより大勢の乗客が乗る乗り物はさらに厳しく管理されていることを考えると納得ができると思います。

2.大きな車体

都内

タクシーや乗用車と違って貸切バスは車体が大型です。

大型バスだと全長12m、マイクロバスでも全長7m程度の大きさなんです。
そのため、小回りが効かず通行できない道も少なくなりません。

したがって、前もってバスが通行できる道かどうかを確認しておかなければ
なりません。

事前に走行ルートを決めておかなければ当日バスがそれ以上進めず転回もできなくなって立ち往生してしまうことだってありうるのです。

道幅に余裕があっても、法令で特定の車両や時間しか通行できない道や事前に所轄の警察署へ申請しないと通行できない規制のかかった道路もあり注意が必要なのです。

3.安全のためは運転時間も管理しないといけない

時計

貸切バスの運転手は、1日あたりバスを運転できる時間が決まっており一定時間ごとにまとまった休憩も取らなくてはなりません。

これは、運転手の健康状態を維持し安全に運転を行うために定められている重要な基準です。

前もってルートを決めることで休憩を取るタイミングや規定の時間以上に運行が長引かないように管理をしているので、当日行き先や滞在時間を急に変更することはできないのです。

運転手さんの働き方も大事です!

バス業界では深刻な運転手不足が問題になっています。

「バスの空きはあるけれど運転手がいない。」

これは想像以上によく耳にすることなのです。

無理な行程変更を強行して決められた勤務時間を超過するような事が常態化して運転手が体調不良になったり、過酷な労働環境を嫌がって運転手が辞めてしまうと、バス事故に繋がってしまいます。

バスの運転手が1日に運転できる時間や距離には上限が設けられていますが、さらに細かく言うと1週間、1ヶ月を平均して乗務できる時間や距離といったように決められています。

運転手の労務管理も運行管理者の仕事です。バスの予約状況に合わせて運転手のシフトを組み立てますが、限られた人員で割り振らないといけないので予定は緻密なものになっています。

そのため、一つの運行内容が変更されることによって、その後の乗務ができなくなったり、先々まで運転手のスケジュールを変更しなくてはならなくなることもあるのです。

想定外の通行止めや道路渋滞といった不測の事態も少なくありません。それによって勤務時間が超過してしまい、次の運行は別の運転手に振り替えないといけなくなるようなケースもあるんです。

貸切バスの運転手は、通常運行の前日か前々日まで決定しません。それにはこういった事情があるからなんですね。

未定な予定はどうしたらいいの?

当日の天候によって行き先を変えたい場合や、大会の勝敗によって帰りの時間が変わってしまうなど、事前にスケジュールを確定できないことだってありますよね。

そんな時はどうすれば良いのでしょうか?

天候に合わせて行き先を変えたい

野外で行われるイベントに参加する場合はどうしても天候に左右されてしまいます。

ほとんどのバス会社で雨天キャンセルの場合規定のキャンセル料金が発生します。

せっかくのバス旅が中止になったり、キャンセル料金だけを支払う羽目にならないよう、前もって晴天時と雨天時両方のプランを決めておきましょう。

事前に二つのコースを用意しておけば当日お天気の状況を見てどちらかの行程を選ぶ事ができます。

利用時間や走行距離が同等であれば基本的に料金は変わりませんし、もしそれぞれのプランで料金が異なる場合は、差額を運行後に支払うか、もしくは払い戻してもらうかを相談しながら進めておくと良いでしょう。

試合の結果次第で出発時間が変更になる

サッカーの大会

スポーツの大会など試合会場までの送り迎えに貸切バスを利用する場合、試合の進行や勝敗によって終了時刻が変わってしまう事があります。

こうした場合、まずは状況を説明した上で相談をしましょう。

試合の状況に合わせて対応する事が可能であれば、一番利用時間が長くなるケースでバスを手配します。

あとは試合中の待機場所や、試合に負けて帰る時は出発の何時間前に運転手へ連絡するのかといった打ち合わせをすれば勝敗の予想がつかない場合でも安心してバスを利用する事ができます。

ちなみに複数日程の大会で勝敗によって帰る日が早まる場合、バスを利用しない日に関しては料金が払い戻される場合がありますが、日帰りの際は仮に早く帰ることになっても返金される事は原則ありません。

まとめ

貸切バスが行き先や利用時間を事前に決めておかないといけない理由をご説明しましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

貸切バスには大勢の人が乗車します。たくさんの人たちの安全を守るためには厳しいルールを徹底しなくてはなりません。

タクシーや自分たちで運転する車に比べると不便に感じられるかもしれません。
しかし、お客様の安全を第一に考えるからこそこういったルールがあるのです。

あらかじめ予定を決めておき、やむを得ない場合以外は変更をしない。変更する事が予定されている場合は事前に準備をしておく。

これを心がける事が乗客全員の安全につながりますのでご理解の上貸切バスをご利用いただきますようお願いします。

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